大学入試以上につらい?!医学部生の勉強内容

医学部の勉強

ご覧になっている方の中には、医師になることを目指して、狭き門である医学部受験に日夜大変な努力を続けていらっしゃる方もいると思います。 また、狭き門を勝ち抜いても医学部は勉強がさらに大変、という声もよく耳にします。 医学の技術も日進月歩。世界中の大学病院などで活躍する医師たちが新たな治験や技術革新に力を注いでいるということもあるからでしょう。 日本国内を見てみれば、様々な業界で国際化が進み、遅ればせながら「医療」の世界においても国際化の波が押し寄せるようになって来ました。 国内の「医学教育」を国際基準に適合させるために、様々な「教育改革」が進みました。 その結果、従来と比べて現在の医学部生はさらに「忙しい」日々を送ることになっています。 多くの大学医学部において導入されている「医学教育モデル・コア・カリキュラム」というカリキュラムがあります。 このカリキュラムは、臨床実習を行うまでの間や、卒業するまでの間に「実践的な診療能力」や「知識や技能」などといった修得しなくてはならない事項を細かく規定されているのです。 このカリキュラムに従って、全国の医学部生の方々は「医師国家試験」の受験・合格を目標に日々勉強に励んでいるという訳なのです。 以下、当校に在籍する医学部生チューターから聞いた話などを交えつつ、どのように大変なのかをお話していきたいと思います。

1・2年生は基礎医学が中心­

医学部生チューターの話によると、一般教養科目は基本的に1年生で履修することが多いようで、週に何回か、午後の授業で「物理や化学」の実験なども行うようです。 大学によっては「初期医学教育」などの専門科目を通じて「医療や医学の現場」を体験させる実習もあるようです。 チューターが在籍する大学の医学部では1年次に、人体の構造や機能などを学ぶための「基礎医学」として様々な科目の授業を受けるのだそうです。 基本的に座学での授業が朝から夕方までぎっしりとあって、定期試験の少なくとも2~3週間前は特に念入りに勉強しないと単位が取れないのだとか。 また、2年生になると「基礎医学」の科目群に「解剖学」などの授業も加わるそうです。 この「解剖学」は3ヶ月の間毎日、午前中は解剖に関する座学の授業を受け、午後になったら、「解剖実習」が始まります。 手際の良い学生だと、「解剖実習」を夕方までに作業を終えることが出来るそうですが、手際の良くない学生だと、なんと夜9時頃までかかって作業を終えるのだとか。 それが毎日続くのですから、かなり大変だと思いますね。 なお「基礎医学」の科目は授業内容のレベルがアップし、定期試験の内容もそれに伴って難しい内容となるので、遊びに出かけることや、アルバイトをする余裕も無いようです。

3・4年生は臨床医学と共用試験に向けての勉強が中心

3年生になると、「問題基盤型チュートリアル」という問題解決能力を養うための少人数で討論する形式の授業を1年間かけて受講します。 ここで扱うテーマは「病例」に関する内容で、様々な「病例」を例にして少人数でグループディスカッションをしながら問題解決に導くのだそうです。 大学によって異なるのだそうですが、このチュートリアルを週3回で朝9時からの1時間を毎週行い、そのチュートリアルを終えてから、その日の授業を受講する流れのようです。 そのチュートリアルの他は「臨床医学」の専門科目群の授業を受講し、科目によっては、毎週テストが実施されるのだとか。 2年生の時のような実習が少ない分、幾分かスケジュール的に楽になるそうですが、4年生までの間で「共用試験」という試験を受けるために猛勉強をしなくてはならないとのこと。 この「共用試験」という試験はCBTとOSCEという2つの試験があり、それぞれ合格しないと「臨床実習」に行くことができない試験だそうです。 CBTとは英検でもおなじみのコンピュータを用いて「知識を測る客観試験」のことで、OSCE(オスキーと呼びます)は患者役の方を相手にした「技能及び態度が一定の基準に到達しているか」を客観的に測る試験のことだそうです。 チューターの在籍する大学では、4年生の9月ごろにこの試験を受けて、合格すれば、11月から病院での実習が週5日あるのだそうです。ただ、大学によっては5年生から病院での実習となるところもあるようです。

5年生は臨床実習が中心

大学によって異なるところもあるようですが、基本的には5年生から病院での「臨床実習」を行うことになります。 チューターが在籍する大学の場合は、2~3名で1グループの単位での行動を基本とし、5年生の1年間で附属病院の全ての診療科を回るのだそうです。 大学病院へ通院したことがありますので、診療科がたくさんあることは知っていますが、思い出すだけでも内科に外科、眼科や耳鼻咽喉科、循環器科や脳神経外科・・・など数えるだけでも大変ですよね。 それらの科を1~2週間、または3週間など期間がまちまちですが、1年かけてローテーションを組んで順番に回っていくのだそうです。 それぞれの診療科において、「実習生」として現場に立って、「指導教員」である医師の指導を受けながら、実際に患者さんに接し、基本的な技能や、現場での考え方や、医師としての振舞い方などをみっちりと学ぶのだそうです。 そういえば、昔、私がある大学病院に通院していた際に「実習生」と書かれた名札を身に付けた学生さんが私の主治医である医師の傍に立って問診のやり方を熱心に聴いていたことがあったな、とふと思い出しました。 そのようにして、朝9時から夕方5時まで診療科に詰めて、研修に励むのだそうです。 その実習を行いながら、受けなくてはならない試験が4つあってその試験勉強も同時にこなさなくてはならないので、とても大変なのだそうです。

6年生は臨床実習と医師国家試験の受験勉強が中心

6年生になると、大学によって異なるのだそうですが、多くの大学では附属病院以外に近隣の病院であるとか、場合によっては海外の病院などでも「臨床実習」や「選択学習」などを行うことが出来るのだそうです。 それらの実習などを行いつつ、6年間の総括ともいえる「総合講義」などを受けて、毎年2月に実施される「医師国家試験」の受験に備えて勉強も行うのだそうです。 この「医師国家試験」とは「医師」として備えてなくてはならない「臨床上必要な医学や公衆衛生」に関する「知識や技能」が問われる試験なのだそうです。 調べたところ、毎年9,000~10,000人前後の受験者で合格率が90%前後の国家試験なのですが、この試験に合格できないと「医師」として活動することができないので、皆さん必死に勉強をしているのだとか。 医学部を卒業後の進路として「大学院に進学し、博士課程を経て研究者になる」というケースもあるそうですが、大多数が「医師」として活動を目指す方が多いそうです。 ただ、医学部を卒業し、「医師国家試験」を合格したらすぐに「医師」として活動できるのか、というとそうでもないようです。 というのも「臨床研修」という「基本的な診療能力の修得」を目的とした研修を受けることが義務付けられているのです。 しかも、医学部に在学中に学生が希望する病院とのマッチングが行われて、初めて臨床研修先の病院が決まるのだそうです。 そういえば、卒業を控えた医学部生チューターが「就活」とよく口にしていたので、何のことかと聞いたら、このことだったようです。 このようにして、医学部生はいろいろと大変忙しい経験を積んで、一人の「医師」になっていくのですね。