「都市部にある大学医学部」と「地方にある大学医学部」のどちらを選ぶか?

都心

医師を目指す覚悟で医学部受験を決意した方々がいらっしゃるのではないかなと思います。
ここ数年、国内における「医師不足」が叫ばれて久しい今日、「医師不足」を解消すべく全国の大学医学部の定員増やす政策が国によって行われています。
しかし、災害等の最前線で活躍をする医師たちの姿を見て、「医学部」への入学希望の人気は衰え知らず。
そのため、「医学部」への入学を熱望する皆さんは日々、
「都市部にある大学医学部」と「地方にある大学医学部」はどっちが「入学しやすい」かな。
卒業後、就職するとしたら「大都市の病院勤務」がいいかな、それとも「地方の病院勤務」がいいかな。
など「出願する直前」まで、医学部を志す受験生を「悩み苦しむ」ことに。
「入試の難易度」や「受験倍率」などに触れつつ、「都市部にある大学医学部」と「地方にある大学医学部」を選ぶ参考にしていただければな、と思っています。

都市部にある大学医学部とは

現在、全国に国公立・私立合わせて82の大学に医学部や医学科が設置されています。以下、話がややこしくなるので、「医学部」で統一して表記しますね。
「都市部」を「どのあたりをイメージしていたか」について当校の医学部チューター数人に尋ねてみたところ、いわゆる「東京・大阪・名古屋」の三大都市圏が該当するのではないかとのこと。
なるほど、と思いつつその定義で82の大学医学部を見てみたところ、約4割にあたる大学が「都市部にある大学医学部」となり、更にその半数が東京近郊に集中。
例を挙げるとすると、東京大学をはじめとする国公立大学や慶應義塾大学をはじめとする私立大学などが多数ある訳です。
これらの大学は様々な媒体で目にする機会ので、もちろん知名度もありますし、しかも屈指の「難関大学」揃い。
当然ではありますが、知名度や人気度に比例して、難易度も高いのも事実。
そのバロメータである「偏差値」を見てみると60台後半~70台以上という範囲の中にひしめき合っています。
都市部の受験生から見ると、身近な大学病院などのイメージがあるからなのでしょう、「受験するならこの大学医学部」と決意した志願者が殺到するのです。
そのため、日頃から「常に全集中」で受験勉強をしないと、その激戦を勝ち抜くことができないのが「都市部にある大学医学部」の特徴でもあります。

地方にある大学医学部とは

3年生になると、「問題基盤型チュートリアル」という問題解決能力を養うための少人数で討論する形式の授業を1年間かけて受講します。 ここで扱うテーマは「病例」に関する内容で、様々な「病例」を例にして少人数でグループディスカッションをしながら問題解決に導くのだそうです。 大学によって異なるのだそうですが、このチュートリアルを週3回で朝9時からの1時間を毎週行い、そのチュートリアルを終えてから、その日の授業を受講する流れのようです。 そのチュートリアルの他は「臨床医学」の専門科目群の授業を受講し、科目によっては、毎週テストが実施されるのだとか。 2年生の時のような実習が少ない分、幾分かスケジュール的に楽になるそうですが、4年生までの間で「共用試験」という試験を受けるために猛勉強をしなくてはならないとのこと。 この「共用試験」という試験はCBTとOSCEという2つの試験があり、それぞれ合格しないと「臨床実習」に行くことができない試験だそうです。 CBTとは英検でもおなじみのコンピュータを用いて「知識を測る客観試験」のことで、OSCE(オスキーと呼びます)は患者役の方を相手にした「技能及び態度が一定の基準に到達しているか」を客観的に測る試験のことだそうです。 チューターの在籍する大学では、4年生の9月ごろにこの試験を受けて、合格すれば、11月から病院での実習が週5日あるのだそうです。ただ、大学によっては5年生から病院での実習となるところもあるようです。

地域推薦枠や地域枠って皆さんご存知ですか?

皆さん「地域推薦枠」や「地域枠」という募集人数の枠についてご存知ですか。
これは地方が「都市部の医療機関などへの医師の流出」により、「地域医療を担う医師の慢性的な人手不足」という問題を解消するため、少しでも「地域に残って地域医療に貢献してもらえる人材を確保」しようと、「地域の出身者」を優先的に地域内の大学医学部へ入学させようと設けた「人数枠」のことです。
基本的には「地域内の出身者」が優先されるのですが、大学が設定している条件に合致していれば「都市部や他府県出身者でも利用が可能」となっています。
この枠で受験・入学することによって、大学や自治体、医療法人などから地域枠入学者を対象とした給付型奨学金が支給されることがあります。条件によっては返還を免除される場合もあるようです。
その代わり、その奨学金の返還が免除されるためには、「大学医学部を卒業後、その地域内の病院や、大学などが指定した医療機関での一定期間の勤務という条件をクリアしなくてはならない」のです。
なぜなら、この枠は、本来「この地域に残って地域医療に貢献できる人材育成をし、医師不足を解消する」ために設けられた制度で「卒業後と同時に都市部に戻る」のは「制度の趣旨に反する」から。
この条件を守れないと「学費の全額返還」を余儀なくされるので、出願の際はそのあたりを考慮しておく必要があります。

大学医学部の卒業後はどうか

では「医学部卒業後はどうなの」と気になる方もいると思うので、ここからは卒業後の進路について少しお話をしていきたいと思います。
医師として勤務する場合は、
・在籍している大学の附属病院に残る
・大学病院を離れて学外の医療機関に勤務する

というケースが大変多いとのこと。
ともに、都市部や地方などは関係なく医師として医療活動に従事するというもの。
大学の附属病院に勤務の場合であれば、大学病院の医局に所属し外来診療や病棟などで患者の診療に日々従事します。
大学病院を離れて学外の医療機関に勤務する場合だと、実家が開業医の方であれば、その病院に、それ以外だと、大学や教授たちから推薦や紹介された医療機関にて、外来診療を中心とした医療活動に従事することになります。
しかし、都市部と地方とでは学外の医療機関数の差に大きな開きがあり、志望校選びの段階で「卒業後」について心配する受験生も多数いるのも事実。
ただ、地方といっても知名度やブランドが確立されている大学医学部を卒業することになれば、地域内での就職先について困ることは少なくなるとも聞いています。
その一方で「地方の大学医学部で地域枠を利用しなかった」卒業生が、都市部の医療機関に就職しようとすると、ハードルが高くなるとも聞いています。
ご自身でどのような「医師像」を目指すかによって大きく先が異なりますので、志望校を選ぶ際十分に検討することをお勧めします。